成長期なのに、なかなか身長が伸びないというお悩みをお持ちの方もいらっしゃることでしょう。
単に成長期の始まりが遅いだけの場合もありますが、低身長症だった場合はどうしたらよいのでしょうか。
子供の身長が同性同年齢の平均身長に比べて著しく低い場合、または一年間での身長の伸びが著しく少ない場合に、低身長症とされます。

低身長症には、「病気が原因でない」ものと「病気が原因」のものがあります。
「病気が原因でない」ものには、遺伝や、生活環境やストレスが原因な場合です。
親の背が低い場合は遺伝が原因です。
好き嫌いが激しいなどの理由で栄養状態が悪いと身長が伸びない原因になります。睡眠不足や運動といった生活環境や、ストレスが原因で身長が伸びない場合もあります。

上記に当てはまらず、原因が見当たらない場合は、「病気が原因」の低身長症の可能性が高いです。
「成長ホルモン分泌不全性低身長症」、「甲状腺機能低下症」、「SGA性低身長症」染色体に異常が原因の「ターナー症候群」や「プラダー・ウィリー症候群」、
「軟骨異栄養症」、その他にも心臓・肝臓・消化器などの内臓疾患が原因で、体内に栄養を取り込むことができず、身長が伸び悩むことがあります。

「病気が原因でない」にもかかわらず、低身長と診断される場合、「突発性低身長」と診断されます。
子供の低身長症で身体に異常がない場合は、特発性低身長であることが多いようです。

特発性低身長には、親の身長が低い遺伝が原因である家族性低身長、成長が遅いだけの体質的な原因(思春期遅発症)である体質性低身長、生活環境やストレスが原因である原発性低身長があります。
突発性低身長が疑われた場合は、医療機関を受診して何が原因であるのか検査してもらいましょう。ホルモンや臓器に異常が見当たらない場合は、食事・運動・睡眠を整えることで身長の伸びが改善されることがあります。

SGA性低身長症は、出産時に平均よりも小さく生まれた「子宮内発育不全」が原因で、9割が3歳までは標準の成長に追いつくものの、1割は3歳以降の身長が伸び悩むことがあります。
SGAとは「Small‐for‐Gestational Age」の略で、出生時の赤ちゃんの大きさが同じ期間お腹の中にいた赤ちゃんの標準身長・体重と比べて小さいことを意味します。低身長な上に通常よりも思春期の訪れが早いため、成人身長も低くなりやすいです。
SGA性低身長症が疑われた場合は、生まれた時からの成長をグラフ化しましょう。骨の成長を促進する成長ホルモンを投与する治療が行われますが、思春期を過ぎてしまうと効果が発揮しづらくなります。SGA性低身長症と判明したら、できるだけ早い段階で治療を開始しましょう。

成長ホルモン分泌不全性低身長は、小児の時期に成長ホルモンが不足することで、骨の成長が不十分で低身長になることです。
疾患が原因な場合は、下垂体やその付近にできる腫瘍、頭部への外傷、遺伝子の異常や奇形などの先天的なもの、出産時の骨盤位分娩や仮死などの異常があります。
ただし、特に原因が見当たらない突発性の場合もあります。
成長ホルモン分泌不全性低身長が疑われた場合は、生まれた時からの成長を折れ線グラフにしましょう。医療機関で、成長ホルモン分泌不全性低身長と診断されれば、成長ホルモンを投与する治療が行われます。